カロムの遊び方・ルール
【競技スタイル】
● シングルス
1対1での対戦です。 対戦者それぞれが向かい合って席に着きます。
● ダブルス
2人ずつのペアを組んで対戦します。 対面同士が味方のペアになります。
【競技を始める準備と流れ】
● センターサークルに赤と緑のパックを交互に並べ、ジャックスポットにジャックを置きます。
● じゃんけんをして勝った人が赤を受け持ち、先攻となります。
● ダブルスの場合は、じゃんけんで先攻が決まったら、その後は時計回りで順次打ちます。
◎カロム日本選手権やC1グランプリなどの大会では1試合を5分の時間制限でプレイされています。
【競技の目的と結果】
● 自分の色のストライカーで、自分の色のパック全てを4隅の ポケットに入れ、最後にジャックを入れると勝ちです。
【ストライカーを打つ場所】
● いちばん最初だけはストライカーをティースポットに置いて打ちます。
● その後は、自分サイドのエリアラインの上にストライカーを乗せて打ちます。
(ストライカーが真上から見てエリアラインにかかっていればOK)
【ストライカーの打ち方】
● 通常は中指を親指に引っ掛けて弾くように打ちますが、どの指で打っても反則ではありません。
●ストライカーと指はできるだけ接触させて弾くことを薦めます。
(間をあけて打つと爪を痛めることもあります)
【基本ルール】
● ストライカーでパックを打つときは、直接でも相手のパックに当ててからでも、フレームに当ててからでも構いません。
結果として自分の色のパックが入れば良いのです。
● 自分の色のパックが4隅のどこかのポケットに入ると、続けて打つことができます。
● 自分の色のパックがポケットに入らない時は、次の人の番になります。
● 自分の色のパックを全て入れ、最後にジャックを入れた方が勝ちとなります。
【ダブルスの場合の特別ルール】
● 自分のエリアライン内にあるパック(自分のも相手のも)やジャックを自分のストライカーで直接打つことができません。
(ペアを組んでいる相手しか打てない)
● 自分のエリアラインに少しでも接しているパックは打つことができます。
【ミスとペナルティー】 ミスをするとペナルティーが生じます
<ミスの場面>
①自分が打ったストライカーがポケットに入ってしまった時
②自分のパックが全部入っていないのにジャックをポケットに入れた時
③玉が盤外に飛び出した場合
1.ストライカーが飛びだした時
2.自分のパックが飛び出した時
3.相手のパックが飛び出した時
4.ジャックが飛び出した時
④上記の時に、自分色のパックもポケットに入ったり、盤外に飛び出した時
⑤自分が打って相手のパックをポケットに入れてしまった時
<ペナルティー>
①既に入っている自分のパックを1個ジャックスポットに戻す
②自分色のパック5個とジャックをジャックスポットに積む
③玉が盤外に出たときの処理
1.自分色のパックを1個ジャックスポットに戻す
2.盤外に出たパックをジャックスポットに戻す(罰則無し)
3.盤外に出たパックをジャックスポットに戻す(罰則無し)
4.自分色のパック5個とジャックをジャックスポットに積む
④上記ペナルティー+自分色のパックを1個ジャックスポットに戻す
⑤相手へのサービスとなる(罰則無し)
【勝負の結果とスコア】
● 自分の色の全てのパック12個をコーナーのポケットに入れ、最後にジャックを入れた方が勝ちとなります。
● 自分の最後のパックとジャックを同時にポケットに入っても勝ちとはなりません。この場合はジャックペナルティを受けることになり、自分の色のパック5個とジャックをジャックスポットに積みます。
●ジャックを入れて勝った方には、まず100ポイントが与えられます。
さらにパックが12個入っているので、12 ポイントが付加され、合計で112ポイントになります。
● 負けた人は、元の12個から盤上に残っている数を引いた数が得点となります。(4個残った場合は12-4=8ポイント)
● 時間制限のある試合で、どちらもジャックを入れることができずに時間切れになった場合には、ポケットに入っている自分のパックの数がポイントになります。その試合はポイントの多い方が勝ちとなります。
ハンディキャップルール
明らかに実力差のあるプレイヤーとゲームをする場合、ハンディキャップルールを採用して、バランスを調整されてはいかがでしょうか?
下記の項目を全て採用するのではなく、技量差に応じて、対戦相手と相談しながら選択されることをおすすめします。
・下手(したて)のプレイヤーにはペナルティを適用せず、ストライカーがポケットに入ったり、盤外に飛び出してもパックを戻さなくて良い。
・自分の色のパックとストライカーが同時にポケットに入った場合でも手番が連続する。
・ゲーム開始前に下手のプレイヤーは、任意の自分のパックを4個を取り除き、それらをポケットに入れた状態からゲームを始める。もしくは、下手のプレイヤーは、自分のパック6個(半分)をポケットに入れることができたら、ジャックを狙って勝利することができる。
・下手のプレイヤーの手番で、パックをポケットへ入れることができない場合には、もう一度続けて手番が行える。
この時、パックがポケットへ入れば、そのまま手番が連続する。
下手のプレイヤーが最後にジャックを入れれば勝利する状況でミスした場合、手番が連続するかは事前に決めておく。
・上手(うわて)のプレイヤーは、利き手と逆の手でショットしなければならない。
・上手のプレイヤーがジャックを狙う場合には、下手のプレイヤーが指定するポケットへ入れなければ、勝利とは認められない。
他のポケットに入ってしまった場合には、ジャックだけを中央のジャックスポットへ戻して手番を終える。
・上手がジャックを入れる際、クッション、もしくは、バンクショットで入れなければいけない。
カロムの3人用特別ルール
2人がペアを組んで、1人と対戦する形式でゲームをプレイします。
ペアの2人はボードに対して向かい合い、この2人にはダブルスの特別ルールが適用されます。
したがって、自分のエリアライン内にあるパックやジャックを直接打つことができません。
1人のプレイヤーは、ペアの間に位置するように入り、このプレイヤーだけには、シングルスのルールが適用されますので、
自分のエリアライン内にあるパックやジャックを直接打つことができます。
シングルスのプレイヤーを起点にして、左右にいるダブルスのプレイヤーへ手番が行ったり来たりするように進行します。(S→D1→S→D2→S→D1)
シングルスのプレイヤーの技量が上手(うわて)の場合には、通常の時計周りで手番を進行させても良いでしょう。
(S→D1→D2→S→D1→D2)
彦根地方での過去のローカルルール
カロム日本選手権大会の公式ルールが規定されるまでに、彦根では各家庭や各地区によって、さまざまなルールで遊ばれてきました。そんな希少なローカルルールの数々をご紹介します。ただ、これらは、現在行われているカロム日本選手権大会では採用されていないばかりでなく、禁止している事項もありますので、混同しないように気をつけて下さい。
・第一打目だけはプレイヤー全員が「一斉のせ!」などの掛声に合わせてブレイクショットを行ってからゲームを始める。
・自分のエリア内であれば、ストライカーをどこに置いてでもショットできる。
・指を伸ばした状態で、ストライカーを突き出すようにショットできる。
・自分のエリア内のパックに、ストライカーを斜めに立て掛け、上から叩き付けるようにショットできる。
・ポケットのギリギリにストライカーを置いて、その下面を打ち上げることで、ストライカーをジャンプさせることができる。
・自分のエリアライン内の上空であれば、手のひらにストライカーを乗せてショットできる。
・自分側のフレームの上にストライカーを置いてショットすることもできる。
・ジャックペナルティは、パック2個。もしくは、パック3個。
・斜めになったり、立ってしまったパックは、直ちにその位置で平らに置く。
・自分のエリア内にある自分の色のパックは、再配置することができる。
・自分側のポケットには、自分の色のパックを落とすことができない。入った場合にはセンターへ戻す。
・ペア戦であっても、自分のエリア内のパックやジャックを直接ストライカーで打つことができる。
・一度のショットで、自分のパック複数個をポケットに入れることができたら、入れたパックの個数だけ手番が連続する。
・自分の色のパックとストライカーが同時にポケットに入ったら、パック2個をセンターへ戻すことで手番が連続する。
戻すパックがポケットになければ、そのまま手番終了となる。
・自分の色の最後のパックとジャックを同時に落とすことができたら、勝利となる。
・自分のパックを全てポケットに入れた後、ジャックを一発でポケットに入れられなければ、パック5個をセンターに戻さなければならない。もしくは負けになる。という厳しいルールにしたり、ジャックを狙う際は、ティースポットからストライカーを打たなければならない。というように制限を加えて、難易度を上げるルールもある。
・シングルスで、相手のエリアにある自分のパックを直接ストライカーで打つことができない。
ストライカーをフレームにクッションさせる必要がある。
・ダブルスで、エリアライン上にある相手のパックに対して、ストライカーを接触した状態であれば打つことができるが、離れた位置からは打つことができない。
ただし、エリアライン上にある自分のパックに対しては、ストライカーを接触させても、離れた位置から打っても、どちらでも構わない。
◎ゲーム開始時のパックの初期配置を変更することで、異なるプレイ感を楽しむことができます。
下図「城崩し(城破り)」と呼ばれる石垣のように配置する遊び方が、中野木工所製造のカロムには付属していました。
彦根城を有する地域ならではの遊び方ですね。
上記のローカルルールは、ほんの一部です。
また、彦根やいわきの大会での基本ルール、南極昭和基地や各地域で遊ばれてきたローカルルールなどいろいろありますが、
全ての地域や団体での統一ルールが定められているわけではありません。
カロムは、その時々に集まる人々の年代や場の目的に沿って、皆さんが「楽しく遊べる」ことが何より大事です。
初心者が多いときなどはペナルティーを少なくして遊ぶ工夫なども、楽しさを感じてもらうには大切なことです。
「我が家では、こんなルールで遊んでいたよ!」というような事実があれば、是非ともお問合せメールで教えて下さいね。
※「ポケット玉はじき」のルールが書かれた文献